頭のいい子が育つのは、情緒が安定して落ち着いて行動ができる環境がある
子どもの発達には情緒が重要
赤ちゃんが「あーうー」「ばぶー」いわゆる喃語(なんご)を発している時に、無視されるのと、笑顔で答えてもらえるのとどちらがよいかわかりますか。
もちろん後者であることがわかると思いますが、それはなぜでしょうか。
幼児期の親のかかわり方
幼児期に特定の大人と接し、大切に愛情をかけられて育つことで情緒は安定します。
特にスキンシップは大きな役割を果たすとされています。
自分が愛され、自己肯定的になれることは、その後の成長において重要だといわれています。
それは自信につながります。
子どもが話しかけてきた時
子どもが話かけてきた時、どうしても聞けない時は、あとでもいいからどうしたのか聞くことです。
でもその頃には、受け入れてもらえなかったことに「もういいよ」で終わってしまうかもしれません。
できるだけ、その時に聞くようにしましょう。
子どもは受け入れてもらえたことで安心感を得られ、会話が弾むことで語彙力は増します。
そして会話は、考え即座に話すため、思考力が求められます。
子どもが質問してきた時
子どもが「なぜ」「どうして」と質問してきた時に、「ちょっと待って」「あとで」はまだいいですが、「そんなこと知らない」「わからない」で終わりにはしないでください。
そこで子どもは、考えることをやめてしまう怖れがあります。
4・5歳頃に「なぜなに期」という時期があり、質問攻めにされる時期がありますが、一生続くわけではありません。
なぜと思った時がとても大切で、それに対して同調して一緒に考えてくれることで、幼い子どもは安心感が得られます。
完璧な答えをだす必要はありません。親がスマポで調べて答えのみだけ教え、会話をすぐ終わりにしてしまうより、一緒に調べてみたり、更に深く考えさせてみたりしてください。
たとえ疑問が解決しなかったとしても、その試行錯誤、そしてその会話がとても重要です。
子どもが考えよう学ぼうとする力を、早いうちに摘み取らないように注意したいものです。
愛情をかけること
子どもに愛情をかけることは、決してわるいことではありません。
愛されていることを実感できる子どもは、情緒が安定し、落ち着いた行動がとれるようになります。
共働きで忙しく、かまってあげられないと思っていても、愛情をそそいでいれば子どもには必ず伝わります。
また甘えさせることは、いくらでもしてよいと思います。
しかし甘えさせることと、甘やかすことは違います。
してはいけないこと「善悪」はしっかり教えていかなければなりません。
家庭環境
両親がけんかばかりして、家庭の居心地がわるければ、家で過ごしたいとは思わないでしょう。
また、仕事が忙しく、いつも疲れている親がいれば、聞いてもらえない、迷惑をかけたい、なんて本音をいうことはできません。
親にゆとりがあり、子どもの話をきちんと聞ける環境が整えられていると、子どもの情緒は安定します。
それと同じく、親もストレスを溜めずに情緒が安定していれば、子どもと向き合うことができると思います。
また夫婦が、子育てに対する方向を一緒にしていることがとても大切です。
意見が食い違えば、子どもはどのようにしたらいいのか戸惑います。
習い事をさせたい、私立受験をさせたい、それにはお金がかかることが多いので、夫婦で話し合い大きな流れは決めておくべきです。
細かいことは、身近な母親が決めることがスムーズだと思います。
父親は論理的で、結果を追い求める傾向があります。
そのため、子どもの行動を管理し過ぎてしまい、結果がでないことを責める場合があります。
母親は共感性が強いので、子どもの気持ちを重要視することが多いです。
母親が感情的になっていたり、悩んでいた時に、冷静な父親が遠くから見守り、助言していくことが上手くと思います。
最近は核家族で、母親が誰にも頼れない状況になりがちですが、区市町村ではそのサポートをしてくれるところが多く、イベントなどに参加してみるのもいいのではないでしょうか。
また、今の時代は、男も女も関係なく、育休をとれる時代へと変化していますので、母親とか父親とかの立場を重視する必要はないかもしれません。
いずれにしても、子どもが何事に対しても頑張ろうとする力や、冷静に考えて行動する力は、この情緒が安定していることが重要になってきます。
近所の環境
住んでいる環境で、人間形成に大きく影響されると思いませんか。
できれば、自身の家庭環境と同じ環境の人が多いところに住むべきだと思います。
親の収入や肩書など様々ですが、子どもでもそのギャップに気がつきます。
いろいろな人に出会うことで、差別や偏見がなくなると思いますし、それはとても大切なことです。
しかし、そこで自分で考えて行動できれば問題はありませんが、周りの意見に影響を与えられることは間違いありません。
周囲の友達に左右されるような性格でしたら、なお環境は重要視したほうがよいでしょう。
よい方向に進めば問題ありませんが、間違った方向に進んでしまうことは避けるべきです。
一斉教育である日本では、その中で少しでも違う子どもは弾かれる傾向があります。
安定した環境で、落ち着いた行動がをとるために周囲の環境は重要です。
我が家は小学校低学年の時期に、埼玉県から東京都に引っ越しをしました。
そこに長くすんでいれば、何の疑問も持たずに過ごしていたことでしょう。
引っ越してみて、学校の雰囲気や子どもたちの対応が違うことを感じました。
子ども自身は、引っ越してよかった、ほっとしたといっていました。
小学校で友達がいなかったわけでも、いじめられていたわけでもありませんが、静かな環境を望む子どもにとって落ち着かなかったようです。